NOUTEN QUEST Ⅱ⚡️

過ぎ去りし時を乗り越えてS

孤独のチカラ

昔、仕事で上司に怒られた時に、「君は子供の頃から1人で遊んでいたのだろう」と言われた事があった。

 

その時は、社交性がない人間なんだなと大層に落ち込んだものだったが、単に1人でなんかやるのが好きだったのだろうなと気づいたのは最近のことである。

 

現在はSNSで何処か他人と繋がっている気がしている。筆者の斎藤孝さんは、こんな時代の中でも単独者になれるかどうかということを書いている。

 

孤独は決して悪いことではない。思春期に1人の部屋が欲しくなるように、どこかで人は自分自身と向き合いたくなる。その時間の中で趣味なり勉強なり、何かに沈潜して、その人らしさが作られていく。それが単独者になれるかという事である。

 

中でも、愛の孤独についての記述はとても深い。一つの恋なり愛の形が終わってしまって、忘れたくても忘れられない喪失感の日々の中で、新しい文章なり、音楽なり、詩なり、絵なり、風景に出会う。それは感情の豊かさをじっくり味わう時間である。愛の孤独は恐ろしくも甘美なものであり、人間の感性により深みを与えるものになる。

 

孤独を知るから、他者を理解出来る。多くの芸術も生まれる。昔から作家なり著名人は孤独に向き合ってきたのである。ムーミンスナフキンのように、1人でいることが好きな人でも、周りから信頼をされ、開かれた孤独を実践している人もいる。

 

学校、職場、家庭の中でも。どこかで自分を見つめられて、受け入れられる力。それが孤独の力なのだと思う。