NOUTEN QUEST Ⅱ⚡️

過ぎ去りし時を乗り越えてS

大切にしたいもの

付き合い始めた頃は、私はきっと彼女の行きたい場所に着いていくのかななんて思っていた



しかし時間が経って、私の中で考えが変わっていった。



どうしても、両親の側を離れることはできないと思ってしまったのだ。



一緒に住んでくれと頼んだわけでもない。


職業柄なのか、娘、息子が離れて暮らしている高齢家庭の事情を思うと、できれば何かあれば駆けつけられるようにしたいという思いが出てきた。


もちろん、それは相手の知った事ではない。
しかし、もしこれからを一緒に考えるならば、生活する場所は決めなければならない。


だから私は思い切って、生活圏は決めて欲しいと言ってみたのだ。


思いの外、反応は悪かった。


でも、逆にどうしたいとも相手は言わなかった。


自分が何でも合わせてくれるとでも思っていたのだろうか。


このやりとりがお互いの関係にヒビを入れてしまったなんて、その時は思っていなかった。


距離を置くようになり、話し合いも十分にできずに、ぎこちなさになんとなく勘づいていた。


あっさりお別れてしまった。



自分から言った訳ではなかったが。



きっとそこまでしてお互いの将来を考えたいとは思いえかったのだろう。



私が大切にしたいものの気持ちは今も変わらずで。


でも部屋には1人で楽しかった思い出ばかりが残る。



どうしたらよかったのだろうか。